12223人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
えっと……龍牙達は……
「お~い、光輝!こっちだ!」
俺の視界には立ち上がって大きく手を振る龍牙の姿が。
うん。恥ずかしいからやめようか。
これ以上叫ばれても困るので、俺と嵐は足早に龍牙達の座っているボックス席へ向かった。
「おい龍牙!恥ずかしいからやめろ」
「まぁまぁ、別にいいだろ?」
眩しいぐらいの笑顔を見せてくる龍牙に、俺は呆れて言い返すことができなかった。
「ねぇねぇ、光輝君。彼がそうなの?」
横から聞こえた声に首を回せば、宮世が目を輝かせながら嵐を見ていた。
「あぁ、そうだぜ。コイツはあら――」
「ちょ、ちょっと来い!」
今日何度目かの遮りと共に、俺は少し離れた場所まで連れていかれた。
「何だよ?また俺の言葉を遮りやがって」
「そんなことはどうでもいい」
俺の言葉=そんなこと で片付けた嵐は、俺の肩を掴んで激しく揺する。
「当たりじゃねぇか!
宮世 唯に一ノ瀬 彩華、氷の女王……如月 皐月までいやがる。
何でもっと早くに言わなかったんだよ、神城」
更に揺する勢いが強くなり、ギブアップの意味をこめて嵐の腕を叩いても止まりそうにない。
最初のコメントを投稿しよう!