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「私は宮世 唯。よろしくね、高峰君」
「一ノ瀬 彩華だ。よろしく」
「…………」
嵐の自己紹介に返事をしたのは宮世と彩華だけ。
如月は興味ないと言わんばかりに頬杖をついている。
「あれ?皐月ちゃんは返事してくれないの?」
からかう嵐を如月はキッと睨み付けた。
「……気安く名前で呼ばないで」
「噂通り冷たいなぁ~」
噂?如月の噂なんて聞いたことないんだけど。
それに前から気になってた“氷の女王”という呼び名。
冷たいから氷の女王って呼ばれてんのか?
「おい、光輝!」
龍牙の声で俺はハッと我に返る。
「腹減ったし早く飯食おうぜ」
「あ、あぁ……」
モヤモヤとした感覚を残したまま龍牙の後を追いかる。
立ち止まってチラッと後ろを向けば、頬杖をついている如月と目が合った。
……信じよう、如月を。
過去のことも含めて、いつか話してくれるって。
「光輝、早く来いよ!」
「あぁ!」
そう思うだけで身体が軽くなった気がする。
俺って単純だな。
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