メンバー集め

14/21
前へ
/309ページ
次へ
「まだ何かあるのか?」 めんどくさそうに振り向いた顔を見て拳を握りしめ、 「俺と……俺と――」 ――勝負しろ! と、言うつもりだった。 「わあぁぁぁぁぁ!」 この声に遮られなければ…… その声の主は慌てたように俺の口を塞ぎ、 「悪いな、架神。何でもないんだ」 架神と呼ばれたそいつは一瞬眉を寄せるが、次の瞬間には元の表情に戻っていた。 「そうか。高峰、そいつに僕のことを教えてやれ。じゃあな、神城 光輝」 それだけ言うと彼は俺達に背を向けて訓練所を出て行った。 「ふぅ~……」 その瞬間、糸が切れたように嵐が座り込む。 「まったく……お前のせいでヒヤヒヤしたぜ」 「嵐……アイツは……?」 「架神……架神 冬魔(かがみ とうま)よ」 横から聞こえてきたのは嵐のものではない女の声。 「如月……」 いつの間にか隣には如月が立っていた。 「架神 冬魔。 こっちの世界では有名な架神家の人間だ。 A組で……いや、一年生の中で一番強いだろうな」 こっちの世界……魔法を使うヤツらの世界か?  
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12223人が本棚に入れています
本棚に追加