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「属性は珍しい闇だ。
そして兄の架神 静魔(せいま)はこの学園始まって以来の天才と言われていたらしいぜ。俺達が中学に入学したのと同時に卒業しちまったから……今は20歳ぐらいだな」
へぇ~。天才か……凄かったんだろうな……
って待て。アイツと直接関係ねぇじゃん!
兄が天才だから弟も。って言いたいのか?
「そして武器は……アンタと同じ刀よ」
なんだよそれ……俺と属性が逆なだけじゃねぇか。
「おい、神城。この意味わかってんのか?」
「は?意味?」
頷く嵐を見て自分なりに考えてみる。
まず、架神 冬魔は闇属性で武器は刀。
お兄さんは天才と言われていた。
弟のアイツも学年で一番強いと言われ……強い?
「気付いたみたいだな。自分が何をしでかそうとしたのか」
「架神は剣術にも長けてるし、魔術だって上級を使えるらしいわ。
それに比べてアンタはどう?剣術ダメ。魔法もそこそこ。勝てるわけないでしょ」
――勝てるわけないでしょ
――勝てるわけないでしょ~
――勝てるわけないでしょ~~
如月による言葉という魔法で、俺の心に見えない刃が突き刺さった。
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