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女子の言葉を遮った嵐は後ろから抱きついてきた。
「おい、俺にはそんな趣味ないぞ。それと空気を読め」
「皐月ちゃんが……皐月ちゃんが……」
無視かよ……
「やっとまともに話してくれたと思ったら……ぐぬぅぅぅ」
嵐はわけのわからない声で唸りだす。
しかし目の前にいる女子を目にした途端180°テンションを変えやがった。
「あれ?志乃ちゃんじゃん。もしかして志乃ちゃんも俺達のチームに?」
「高峰君も?よかった。同じクラスの人が一緒で」
嵐の顔を見ると安心したような表情になる志乃と呼ばれた女子。
お~い、俺を空気にするな。
それに気付いてくれたのか、嵐は俺の頭をバシバシ叩く。
「悪い悪い。彼女は坂上 志乃(さかがみ しの)ちゃんだ」
「坂上 志乃です。武器は短剣で、属性は光です」
「光っ!?」
思わず叫んでしまった。
仕方ないだろ?
ついに同じ属性の人に出会えたんだから。
「はい。やっぱり驚きましたね」
嵐のおかげで緊張が解けたのか、坂上はイタズラが成功したように笑う。
でも坂上……お前は勘違いをしているぞ。
「俺も光なんだ」
『……えぇぇぇぇ!』
坂上は兎も角、嵐まで驚きやがった。
そういえば言ってなかったな。
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