12223人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしても……どうして光属性なのに1人だったの?」
「うっ!」
「確かに。普通は真っ先に誘われてもおかしくないのにな」
「うぅっ!」
宮世と龍牙の言葉に苦い表情をする坂上。
そして、
「実は友達いなかったりして」
翔のこの言葉がトドメとなった。
坂上はまるでこの世の終わりのような、形容し難い絶望的な表情をしている。
誰が見ても一目でわかるだろう。
図星だと。
そんな状況にもかかわらず、言った本人はニコニコ微笑んでいた。
秋雨 翔……恐ろしいヤツだ。
「いや、違うんです。友達はちゃんといますよ!」
言い訳か?聞いてやろうじゃないか。
俺達は坂上の話に耳を傾ける。
「何の不幸か、私は仲のよかった友人達とは別のクラスになってしまったんです。それで魔法大会の話が出た後、友人達に会いに行ったら……すでにチームができていました。
それなら新しい友達と!と思い教室に戻ってみれば……私がいない間にもう……だから……だから……」
「坂上。もういい……」
ダメだ。悲しすぎて聞いてられない。
どんだけ運がないんだよ……
そんな中、1人の人物が坂上の肩に手を置いた。
彩華だ。
「志乃……確かにそれは悲しいことかもしれない。でもそのおかげで私達は出会えたんだ……私は嬉しいぞ」
何故だろう……
彩華が眩しいぐらいに輝いて見える。
さすがと言うべきか、坂上の表情もだんだん輝いてきた。
「そうですよね。その通りです!ありがとうございます、彩華さん」
立ち直りが早いと言うか……やけにあっさりと終わったな。
「なんだかいい雰囲気になったところで、早速大会に向けて特訓するわよ!」
最初のコメントを投稿しよう!