大会に向けて

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「我、他者を傷付けることを望まぬ……【封】」 そう言って翔が剣の刃を指でなぞる。 すると剣が茶色のオーラを纏ったかと思うと溶け込むように消えた。 「よしっ!あれ?光輝も早くやりなよ」 俺がその光景を眺めていることに気付いた翔は、早く早くと急かすような視線を送ってくる。 でも俺……そんな魔法知らないし…… 「何?今の魔法……」 「えっ!?」 目を少し大きくして驚く翔。 それもすぐに大きなため息に変わった。 やめてくれ……なんかグサッとくるから…… 「これは相手を傷付けないようにする基本魔法だよ。これができないと武器の使用は認められないんだ。 普通は武器を創ってすぐに習う魔法なんだけど……光輝、降谷先生に教えてもらってなかったんだ」 えぇ教えてもらってませんよ? ってか、修司さんは武器については全く教えてくれなかったな…… 「ハクション!……誰か俺の噂でもしてるのかな?」 「せんせ~い!ちょっと来て~」 「あぁ、今行く!……光輝君達だな」 修司さんが意外に鋭かったということを俺達は知らない。  
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