大会に向けて

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「とりあえずやってみなよ。魔力もあまりいらないし、光輝なら簡単にできるだろうしね」 簡単にできるかは別として、とりあえずやってみることにした。 魔力は……初級魔法ぐらいでいいかな。 えっと……詠唱は確か…… 「我、他者を傷付けることを望まぬ……【封】」 指先に魔力を込め、翔の見様見真似で刀身をなぞる。 すると白い光が刀を包み、やはり溶け込むように消えていった。 これでいいのか?と刀を見せると翔は満足そうに頷く。 「さすが光輝。それじゃあ始めようか」 そう言って翔は双剣を構える。 様になってると言うか威圧感があると言うか…… ただ武器を構えて立っているだけなのに冷や汗が頬を伝う。 これが……戦闘か。 「来ないの?ならこっちから行くよ」 「っ!」 翔が俺に向かって駆けてくる。 ただ走っているだけなのにかなり速く感じる。 どうする?どうすればいい? 考えている間に翔は目前まで迫っている。 「っ!はぁっ!」 俺は右の刀を力一杯横に振るった。  
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