大会に向けて

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「お疲れ様。って言っても翔の一方的な戦いだったけどね」 ぐっ……言い返せない…… 「けど神城君の頭上を一回転して飛び越えたのは凄かったです」 そうか……俺の攻撃を避けながら背後に回ったのか。 すごいな翔は。 「双剣使いだからね。あれぐらい身のこなしが軽くないと」 「嫌味かよ!」 龍牙がツッコむ。 けど圧倒的だったな。 俺の攻撃なんてカスリもしなかったし…… そんな俺の様子に気付いたのか、翔が口を開いた。 「光輝、そんなに落ち込むことないよ。初めての戦いなんだから負けて当然さ。僕が欠点を指摘するからゆっくり強くなればいいよ」 翔……ありがとう。 でもな?お前の後ろにいる大魔王様がそれを許してくれないんだよ。 できれば気付いてくれ。 と、心の中で呟いた俺は早速翔のアドバイスを聞くことにした。 「まず1つは動きが単純なことかな。これは経験だからどうしようもないんだけど……」 それは自分がよくわかってる。 実際翔に動きを読まれてたしな。 「2つめは隙が多いことだね。ただでさえ二刀流なんて難しい戦い方なんだから。見たところ右手しか使ってなかったし、如何にして二刀を使うかが問題だよ」 如何に二刀を使うか……か。 「二刀流も双剣も手数が多い代わりに使いづらい。その分隙が生まれるから慣れるしかないね」  
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