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「アンタ光属性なら自分で治しなさいよ」
「治癒系の魔法はまだ覚えてないんだよ」
「呆れた……普通は覚えておくのに。ホントにバカね」
如月は言葉通りバカにしたような目で俺を見る。
ホントにコイツは毎度突っかかってくるな。
「あの~。だったら私に任せてください」
そう言ってきたのはもちろん坂上。
坂上なら光属性だし安心だ。
「ありがとう。頼むよ」
「はい。じゃあ……えっと……服を……」
さっきまでの勢いはどこへいったのか、坂上は頬を赤く染めながら俯いてしまった。
しかしそれもほんの数秒。
坂上は意を決したように顔を上げ、耳まで真っ赤にしながら口を開いた。
「服をぬ……じゃなくて、捲ってください」
ぬ?今絶対脱げって言おうとしたよな?
まぁそんなことは兎も角、俺は言われた通り脇腹まで服を捲った。
それと同時に露わになる青く腫れ上がった痣。
うわぁ~、これはヤバい。
ふと翔に目を向けると申し訳なさそうな表情をしている。
反省してるみたいだし復讐はやめとこう。
「いきます。【聖光天恵】」
坂上の手が白く輝きだす。
坂上はその手を優しく痣に押し当ててきた。
でも不思議と痛みはない。
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