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如月の目の前まで来た俺は右の刀を横薙ぎに振るう。
それはあっさりと如月の武器で受け止められた。
あの形はやっぱり鉄扇だ。
まぁいい。
受け止められるのは予測済みだからな。
俺はすぐさま左の刀を動かした。
それを見た如月は俺の刀を押し返して後ろに跳ぶ。
さすがに単純すぎたか……
でも、俺も如月も近距離の武器だ。
近付かないと攻撃できない。
となるとリーチが長く、二刀の俺の方が有利だ。
「いくぜ、如月」
俺は追い討ちをかけるべく走り出そうとした。
言葉通り、走り出そうとした時、不意に如月が口を開く。
「バカなアンタの考えてることなんてお見通しよ。武器のリーチから見て自分の方が有利だとか考えてたんでしょ」
……バレてるし。
思わず走ろうとした足を止めてしまった。
「ご名答。だったらどうするんだよ?」
「ホントにバカね。アンタと同じことを考えたヤツが何人いたと思う?そして私がその対策を考えなかったとでも?」
確かに……素人の俺でも思ったことならみんな考えたんだろう。
如月なら対策も考えてそうだな。
「で、その対策とやらは?」
「こうするのよ」
そう言って如月は勢いよく鉄扇を開いた。
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