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何の柄もない水色の鉄扇を開いた如月はそれを口元にもっていく。
必然的に口元が隠れて見えなくなったが何故かわかった。
――笑っている……と。
「フフフッ……終わりね」
如月は俺に鉄扇を向ける。
そしてそのまま手首を返して、
「氷結の舞」
そう呟いた。
――何かヤバい!
直感的にそう感じた俺はすぐにその場を離れようとした。
だが、
「なっ!?足が凍って……!」
動くことができない。
俺の足と地面はしっかり凍って繋がっている。
べつに冷たくも痛くもないが完全に動けない。
おいおい、これは反則だろ。
すぐさま刀を突き刺したが刃先がわずかに刺さった程度。
軽く舌打ちして刀の柄で殴ってもみるがたいして変わらない。
諦めて如月に目を向けると鉄扇を大きく振りかぶっていた。
チッ……次は何だよ。
「吹雪の舞」
如月は勢いよく鉄扇を扇ぐ。
すると冷たい風が俺の頬を撫でたかと思えば、次の瞬間には言葉通り強烈な吹雪が襲ってきた。
冷たい塊が顔に当たる。
ダメだ……これ以上目を開けてられない。
俺は思わず目を瞑ってしまった。
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