大会に向けて

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やがて氷は2本の槍へと形を変えた。 こりゃ完全に魔法だろ。 ってか、それはさすがに怪我じゃ済まないって…… なんてツッコむ俺だがもう余裕もなくなってきている。 せめて正面からならなんとかなったのにな…… 俺は諦めて刀を下げた。 「負けたよ。さっさとやれ」 「遠慮なく」 瞬間、刀は俺の手を離れた。 それは弧を描きながら少し離れた場所に突き刺さる。 手がビリビリして痛い。 どうやらあの槍は俺の刀を狙っていたようだ。 諦めていて全く反応できなかった。 「武器もないし動けもしない。私の勝ちね」 それと同時に足の氷も砕けて動けるようになった。 「アンタってホントに弱いわね。それで身体強化してるつもり?」 弱いって……確かにそうだけどかなり傷つくからやめてくれ。 それよりも、 「身体強化?まさかお前、身体強化してたのか?」 だから消えたような動きができたのか。 「私は部分強化よ。ってかアンタまさか生身で……?」 俺は素直に頷く。 すると如月は大きなため息をついた。 「どうりで、あんな痣ができるはずだわ……」 え?つまりアレか? 翔も身体を強化してて俺が生身だったからあんなに痛かったと? いやいや、それ以前に身体強化ありだったのかよ。  
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