12223人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて氷は2本の槍へと形を変えた。
こりゃ完全に魔法だろ。
ってか、それはさすがに怪我じゃ済まないって……
なんてツッコむ俺だがもう余裕もなくなってきている。
せめて正面からならなんとかなったのにな……
俺は諦めて刀を下げた。
「負けたよ。さっさとやれ」
「遠慮なく」
瞬間、刀は俺の手を離れた。
それは弧を描きながら少し離れた場所に突き刺さる。
手がビリビリして痛い。
どうやらあの槍は俺の刀を狙っていたようだ。
諦めていて全く反応できなかった。
「武器もないし動けもしない。私の勝ちね」
それと同時に足の氷も砕けて動けるようになった。
「アンタってホントに弱いわね。それで身体強化してるつもり?」
弱いって……確かにそうだけどかなり傷つくからやめてくれ。
それよりも、
「身体強化?まさかお前、身体強化してたのか?」
だから消えたような動きができたのか。
「私は部分強化よ。ってかアンタまさか生身で……?」
俺は素直に頷く。
すると如月は大きなため息をついた。
「どうりで、あんな痣ができるはずだわ……」
え?つまりアレか?
翔も身体を強化してて俺が生身だったからあんなに痛かったと?
いやいや、それ以前に身体強化ありだったのかよ。
最初のコメントを投稿しよう!