大会に向けて

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「生身で戦ってたなんて、呆れを通り越して感心するわ」 「仕方ないだろ。知らなかったんだから。【解】」 俺は地面に突き刺さっていた刀を引き抜くと魔法を解く。 あれ?また戦うなら解かない方がよかったな。 「近距離の武器を使う人は大抵身体強化してるのよ。じゃないといろいろ不便だからね。 逆に遠距離の武器を使う人は身体強化しないの。魔法も使うから余計な魔力を消費しないように。まぁ、すぐ逃げられるように足を部分強化してる人もいるけど。わかった?」 「あ、あぁ。ありがとう」 刀を眺めていた俺に向かって如月はそう説明してくれた。 意外というか、またバカにされると思ってたから驚いたよ。 それを察したのか、如月の表情は不機嫌そうなものへと変わっていく。 マズい!話を逸らさないと…… 「そ、そうだ如月。お前魔法使うなんて卑怯だろ」 「……は?」 突然話題が変わったからか、多少間抜けな声を出す。 そしてしばらく考えた後、パンッと手を叩いた。 「あぁ、あれは魔法じゃなくて武器の能力よ」 「武器の能力?」 復唱する俺。 武器に能力なんてあったんだ。 「武器には何かしらの能力があるの。ない武器もあるけど…… で、私の武器の能力はいろんなモノを凍らせることができるのよ」 やっぱりな。だいたいわかってたさ。  
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