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「お二人さ~ん。イチャつくのは後にしてくれませんか?」
その声にハッとして首を曲げれば、いつの間にか宮世達が立っていた。
「い、いつからいたのよ!?」
慌てたように如月が尋ねると、
「武器と身体強化がなんたらってとこから」
何食わぬ顔で宮世が答える。
つまりほとんど最初からいたようなものだ。
ってことは……
「聞いてたのか?」
「もち」
と、龍牙。
同時に如月は頬をわずかに赤く染めて拳を握り締める。
龍牙は気付いていない。
「ってか神城、羨ましいぞ!俺も皐月ちゃんと話したいのに。
それにしても皐月ちゃんの真っ赤な顔、可愛かったな~」
――ブチッ
ブチッ?今何かがキレたような……ま、まさか……
恐る恐る横を向くと笑顔の如月が。
魔・王・降・臨!
「高峰。私と話したいんでしょ?いいわよ。語り合いましょ。……拳でね」
その笑顔の裏を知っている龍牙は後退り。
嵐ですら何かを感じとったのか足が震えていた。
「いや、遠慮しときます」
「そんなこと言わずに。……人の記憶って殴ると消えるのかしら?」
「さ、さぁ?わかりません」
「じゃあ試してみましょう」
逃げ回る嵐と追いかける如月。
それを止めようとする彩華。
座り込んだままの龍牙とオロオロしている坂上。
ニコニコ(ニヤニヤ?)笑っている宮世と翔。
……あの、特訓の続きは?
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