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あの賑やかだった特訓から早1ヶ月と数日が過ぎた。
そう。タイトルからわかるように今日は魔法大会当日なのだ。
とうとうこの日が来てしまったよ。
あれからほぼ毎日実戦練習。
みんなの動きについていけるようにはなったけどまだ誰にも勝ったことがない。
接近戦が苦手と言っていた宮世にすらだ。
ならば魔法をと思って練習したけれど上級魔法は使えず、結局詠唱破棄できるようになった中級魔法が2つ。
こんなんで大丈夫なのかと不安と緊張で過ごしてきたわけだ。
「そう緊張すんなよ。気楽にいこうぜ」
いつも通り朝にやって来て俺の部屋のソファーに腰掛ける龍牙と翔。
2人共緊張している様子はない。
「そりゃ2人は強いからいいけどさ、俺は不安なんだよ」
「大丈夫。光輝は十分強くなったよ。自信をもって」
って言われてもな……
一度も勝ったことがないからどう自信をもてばいいかわかんないんだよ。
「残念ながらくよくよしてる時間はないみたいだぜ」
そう言って龍牙は時計を指差す。
8時15分。
8時半までに教室に行かなければならないからそろそろ出た方がいいだろう。
「んじゃ行くか」
龍牙が扉を開けるといつもの3人が目に入る。
「そろそろ出てくると思ったわ。さっ、行きましょ」
楽しそうに歩いていく宮世を追いかけるように俺達は教室に向かった。
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