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「みんなおはよう。今日はついに魔法大会当日だ」
修司さんはそこで口を止めて教室を見回す。
やがてその表情は満足そうなものに変わり再び話しはじめた。
「うん。みんないい顔だ。この1ヶ月……早い者は2ヶ月前から特訓してきたことだろう。今の君達は心身、実力ともに1ヶ月前より大きく成長している。今日はその成果を十二分に発揮してくれ。
そして最後に。君達はまだ一年だ。勝ち負けにこだわらずとは言わないが、悔いのないよう落ち着いて……楽しんでいこう!」
教室内に少しだけ修司さんの声が響く。
全員が修司さんの言葉を耳を澄まして聞いていた。
誰も口を開く者はいない。
ありきたりな話だったが修司さんが言うと感動しそうになる。
たぶん俺だけじゃないはずだ。
「長々と話してすまなかったね。それじゃあ今から体育館に移動するからチーム同士で集まって。他クラスにメンバーがいる場合は向こうで合流してくれ」
途端に少しざわめきだし、それぞれチーム同士で固まった。
意外にも7チームもある。
そのうち3人しかいないチームは後で合流するんだろう。
となるとA組では嵐と坂上の2人だけってことか。
……気まずいな。
「忘れ物はないか?取りに帰ってくることはできないからな。
じゃあ行くぞ。この教室を出た瞬間から試合が始まると思っておけよ」
その言葉に全員がざわめく。
しかし修司さんはそんなことを気にすることなく進みはじめてしまった。
どういう意味だ?
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