魔法大会開催

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「まずはこれを見てください」 真衣さんはそう言って腕を上げる。 その手には紐のようなものが握られていて、紐の先には何か小さなものがついている。 それが何なのかは遠くてわからない。 「ちょっと見ずらいと思いますから皆さん両手の手の平を上に向けて差し出してください」 何なんだろう?と思いながら俺を含めた生徒達は言われた通り両手を差し出す。 まさに次の瞬間だった。 俺の手の平に上から何かが落ちてきたのは。 「何だこれ?宝石?」 落ちてきたそれは紐の通してあるガラスのように透き通った丸い玉。 ガラス玉の大きさはだいたいスーパーボールぐらいだ。 他のみんなも不思議そうにそれを眺めている。 「それはLC(ライフクリスタル)と言って、試合中はそれを首にかけてもらいます。 これを身に付けている間は全てのダメージを吸収してくれるという優れものです。 ただしダメージを受ける度にどんどん赤くなっていき、限界に達すると割れてしまいます。 その場合失格になるので気をつけてくださいね」 真衣さんはニコッと微笑むと手を叩いた。 「それでは試合会場に移動しましょう」 その言葉と共に体育館内のあちこちで空間が裂けはじめる。 あれは確か修司さんが一度見せてくれた……ゲート!  
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