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「このゲートの先は試合会場に繋がっています。チームごとに好きな場所に入ってください」
しかしどのチームも動こうとしない。
ただ迷ってるだけかもしれないが、はいそうですかと簡単に入れるほど軽いものではないからだ。
まずはどこかのチームが入るのを見なければ。
だがその考えはどのチームも同じこと。
相変わらず動こうとしない。
そんな時だった。
「どいつもこいつも情けないな~。んじゃ1番は俺達がもらうぜ」
以前聞いたことのある声。
声が聞こえた方に目を向けると、立ち上がっている1組のチームが目に入る。
そのチームの先頭にいるのは、生徒会長……河瀬先輩。
みんなが注目する中、河瀬先輩率いるチームは近くにあった穴に入っていってしまった。
一番後ろの人が入った途端に閉じる穴。
まるで何事もなかったかのように以前の空間がそこにあった。
「最初に入ったのは河瀬君達でしたね。ぐずぐずしてると選ぶ穴が無くなっちゃいますよ」
その言葉に反応したのか河瀬先輩達に影響されたのか、いきなりと言っていいほどにいろんなチームが穴に入っていく。
「やれやれ。じゃあ私達も行きましょうか。志乃ちゃん、そこの穴に入って」
宮世が指差したのは近くにあった穴。
本人曰く、どこでも一緒。らしい。
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