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《あっ、最後に食料のことですが…………自給自足ってことで。この大自然を生かしてください。
それでは試合開始!》
後半は早口。無理矢理切ったような終わり方。
……………………
耳に入るのは風で葉っぱが揺れる音だけ。
アハハッ。初めて来た森で自給自足か……
『はあぁぁぁぁぁぁぁ!?』
森中から聞こえてきた声。
学年全体の心が揃った瞬間だった。
「おい宮世。どうすんだよ?」
困った時の宮世頼み。
俺の中では神様より宮世だ。
「う~ん。とりあえず食料を確保しないとね。それにずっとここにいるわけにもいかないし、移動しながら食べれるものを見つけましょ」
少し考える素振りを見せてから口を開く宮世。
さすがリーダーシップがあると言うか、コイツになら全てを任せられそうだ。
「問題は方向だな。私はこっちに何かあると思うんだが」
俺達は彩華の指差した方向に目を向けた。
特に変わったところはなく、何もないように見える。
だが宮世達は、
「彩華がそう言うならそっちに行きましょ」
そう言ってサッサと歩き出してしまった。
当然俺、嵐、坂上はわけがわからず首を傾げる。
そんな俺達を見て翔が説明してくれた。
「彩華の勘はよく当たるんだ」
……なるほど。
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