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「何もありませんね……」
「まだそんなに進んでないからな」
坂上の呟きに龍牙が答える。
俺達は今彩華の指差した方向へ真っ直ぐ歩いていた。
と言ってもさっき龍牙が言った通りそんなに進んでないけどな。
「それにしても……」
と思い辺りを見回す。
ホントに食べられるものなんてあるんだろうか?
木の根元を見てもキノコすら生えていない。
仮に生えていたとしてもそれが食べられるのかもわからないんじゃ意味がないし……
彩華の勘に頼るつもりだったのか?
命懸けだな……
そんなことを考えていた時だった。
《D組鳥越君、同じく本間君 失格》
上空から真衣さんの声が聞こえてくる。
《B組安藤さん、F組渡辺君 失格》
次々と出てくる脱落者。
マジかよ……
《言い忘れてましたが、失格になった生徒は学園に転移するだけなので心配しないでください。あっ、A組石井さん 失格》
「とうとう本格的に始まったわね」
如月の言葉に緊張が走る。
それと同時に嵐がピクッと反応した。
「来るぞ!」
咄嗟に横に跳ぶ。
全員が散り散りに跳んだ後、今まで俺達がいた場所に雷が落ちてきた。
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