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「チッ……1人も仕留められなかったか」
1人の男子生徒が上から俺の近くに着地してそう呟く。
ってことはさっきの魔法はコイツか。
俺はすぐに武器を出して魔力を身体に纏わせる。
すると相手も俺に気付いたのかニヤリと口元を吊り上げた。
「まぁいいか。最初から当たると思ってなかったし、目の前にちょうど雑魚がいるしな」
雑魚……ってやっぱ俺のことだよな。
「俺が雑魚だって言いたいのか?」
「そう言ってんだよ。お前はあのチームで……いや、お前達3人は学園の中で一番弱いからな」
3人……つまり俺、桐沢、萩野のことか。
確かに否定することはできない。
でも、
「そう思うなら早くこの雑魚を倒してみろよ」
肯定することもできない。
この2ヶ月の特訓が無駄じゃなかったことを証明してやる。
「上等だ雑魚!後で後悔するんだな」
そう言うや否や、男子生徒は長剣を出して向かってきた。
長剣……彩華と同じ武器か。
これならいける!
「じゃあな雑魚」
男子生徒は勢いよく剣を振り下ろしてきた。
でも……何だろう?
手を抜いてるのか、その動きが遅く見える。
俺は体を傾けてその攻撃を躱した。
「なっ!?」
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