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「こういう時は元の場所に戻るのよ」
そう言って如月は迷うことなく歩き始める。
……あれ?そっちだっけ?
如月……どうやら俺はそれすらできないらしい……
「……おいてくわよ」
「ちょっ、待って!」
俺は慌てて如月の後を追いかけた。
*
《C組池永君、山本さん、藤井君、吉川君、菊地さん、緒方君、栗原さん、中西君 失格》
「ふぅ~」
その放送を聞いて私は一息つく。
脱落者の数から考えて、どうやら全員残ったみたいだ。
ふむ。光輝も無事残ったか。
まぁ1ヶ月もの間厳しい特訓をしてきたからな。
本人は気付いていないかもしれんが、光輝はそこら辺の生徒には負けない程に強くなった。
当然と言えば当然だ。
さて、休憩もここらへんにしてそろそろ合流しなければ。
確か散った場所は……あっちか。
私が歩き出そうとした時、近くの木の陰から見知った人物が姿を現した。
「翔か」
「あれ?彩華だ。意外と近かったね」
「そうだな。お喋りは移動しながらにしよう。早く合流しないとまたいつ襲われるかわからないからな」
「そうだね。じゃあ行こうか」
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