魔法大会開催

18/44
前へ
/309ページ
次へ
「それで嵐、その能力とは?」 早く話を終わらせるため、私が嵐に尋ねた。 「手っ取り早く言えば〈透視〉。物を透かして敵を見つけることができるんだ。こんな状況じゃないと使えない能力だけどな」 そう言って嵐は自身の持つライフルのスコープを指差す。 「〈透視〉か。確かにこのサバイバルでは便利な能力ね」 「高峰君らしいですね。エッチです」 「いやいやいや、誤解だよ志乃ちゃん!人には効かないからね?」 「でもその能力で着替えを覗いたりとかしてるんじゃないのか?」 「……ま、まさかぁ」 そう言う嵐の目はせわしなく動いている。 間違いない。この男…… 「最低ね」 「最低です」 「最低だな」 「……言わなきゃよかった」 嵐は小さくため息をつくとスコープを覗き込んだ。 その時の表情は今までと違って真剣だ。 間違いない。この男…… 『ごまかした』 「うっ……あっ、いたいた。結構離れてるな……ってヤバッ」 「どうしたの?」 「2人共横に逸れてる。しかもその先には敵が8人」 何っ!?それはマズい。 皐月なら兎も角、今の光輝では…… 「ホントにやべぇじゃん。俺達も早く行こうぜ。嵐、案内頼む」  
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12223人が本棚に入れています
本棚に追加