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「私としたことが、こんなバカ相手に熱くなるなんて……」
コイツわざとだろ。
明らかに挑発してるよな。
この状況を乗り切ったら覚えとけよ。
「とりあえず私が半分相手するからあとの4人の相手しといて。私が来るまで持ち堪えときなさいよ」
「言われなくとも」
俺達は同時に走り出した。
まず相手の武器に視線を走らせる。
銃と槍と杖とハンマー。
全部厄介だな。
龍牙に聞いたところによると、杖を使う相手は魔法を多用してくるらしい。
となると接近戦の俺にとって一番厄介だ。
できれば杖のヤツから倒したいけどハンマーのヤツがそれを許してくれそうにない。
「やるしかねぇか……!」
俺は走っていた足を止め、左手の刀を逆手に握り人差し指を向けた。
あんまり魔力を使いたくなかったんだけど仕方ない。
「【光弾】」
俺の指先から放たれた何百という数の光の弾。
その光の弾は俺が相手をする4人を襲い、砂塵を巻き上げる。
よっしゃ!手応えあり!
内心ガッツポーズをとりながら砂煙が晴れるのを待つ。
だが、
「なっ!」
4人は見事に無傷だった。
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