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目の前にはハンマーを振りかぶった男子生徒。
防御魔法も間に合わない……っと。
諦めが脳裏を過ぎった。
その時、
「何?もう諦めるの?情けないわね」
そんな声が聞こえたような気がした。
気のせいだと、ただの幻聴だと自分でもわかる。
だが例え幻聴でもその声は嫌でも俺の目を覚まさせた。
諦め?バカバカしい。
最後の最後まで足掻いてやるよ。如月。
「ハアァァァ!」
両手の刀を力一杯握り締め、迫るハンマーに向けて振るう。
適うとは思えない。
それでも諦めることはしたくない。いや、しない。
「力勝負か?面白い、受けて立つ」
お互いの武器がぶつかり合った。
勝負は一瞬。
結果は……俺の負け。
耳障りな硬質音と共に腕に響く痺れる反動。
二刀はどこかに弾かれ、俺自身も吹っ飛ばされて近くの木に体を打ち付けた。
気を失いそうな衝撃。
それを何とか耐えた俺だが、首にかかるLCはすでに半分程赤く染まっていた。
マズい。これ以上は……
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