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その気が逸れた一瞬が命取りとなった。
「【水牢縛】」
突然地面から水が吹き出し、俺を巻き込んで球体になる。
俺はというと水の中で縛られているかのように身動き一つとれないでいた。
何故か息はできるが、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
動けない俺の周りに4人が集まってきた。
「結構手こずったな。だがそれも終わりだ」
「銃やハンマーじゃ彼にダメージをあたえられないよ。梨香の槍じゃないと」
「わかったわ。私に任せて」
梨香と呼ばれた女子生徒は槍の矛先を俺に向ける。
狙いはLCか心臓か……いや、どこでも変わらないか。
それにしてもこの魔法……マジで動けねぇ。
内側から壊せるのか?
ってか今の俺の使える中級魔法じゃこの水牢全体を壊せるほど広範囲なものはないか。
絶体絶命だな。くそっ!
どうする?どうすれば……
「終わりよ。勝負なんだから恨まないでね」
女子生徒は焦らすことなく槍を突きだしてきた。
――ダンッダンッダンッ
耳に届いた銃声。
放たれたと思われる銃弾は槍の矛先に当たり、かろうじて俺の体から逸れた。
それだけじゃなく、別の銃弾は杖を持っている生徒にも当たり、俺を捕らえていた水牢が崩れていく。
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