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「貴方が強いことはわかったわ。だから私も本気でいく!」
高山はまたもや俺の攻撃が届かない位置から槍を突き出してくる。
俺はそれを少し屈んで躱した。
どうしよう……
さすがに女子を斬ることはできないし……
かといってこのまま避け続けているだけじゃいずれ捕まる。
そう考えていると、高山は伸ばしきった腕を斜めに振り下ろしてきた。
「おっと」
それを楽々と受け止める。
そんな攻撃は龍牙じゃない限り喰らわねぇよ。
「くっ!」
「梨香!アレやろうよ!」
アレ……?
俺は井野の放ったアレという言葉に疑問を抱いた。
「そうね。お願い」
「任せて。【水天降弾】」
井野が魔法を発動すると同時に高山が飛び退き、俺は身構える。
だが辺りを見回しても何の変化もない。
失敗か?
そう思った矢先、ポタポタと上から冷たいものが落ちてきた。
水?雨か?
上を向いた俺は目を見開いて驚愕した。
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