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相手の陣形は今までと変わらず、高山が攻めて井野が援護といった感じだ。
もっとも、攻めてはいないが……。
「くっ!反撃できない!」
「梨香~!このままじゃ魔力が切れちゃうよ」
宮世は双銃の銃口をそれぞれに向けて連射しているだけ。
それでも弾の数とスピードがハンパない。
実際に持ってる銃は二丁だけど、撃ってる弾の数は四丁か六丁に匹敵している。
驚異的な早撃ちだ。
井野は水の膜を張ってそれを防ぎ、高山は最初こそは槍で弾いていたが防ぎきれずに数発命中。
今では彼女も土の壁で防いでいる。
「キリがないわね……」
と、ここで宮世は銃を連射したまま走り出した。
おいおい、まさか……
「まずはあなたから」
思った通り、宮世は壁を跳び越えて真下にいた高山に向けて双銃を連射した。
恐らく全弾命中。
元々少しダメージを受けていた高山のLCは一瞬で真っ赤になり砕け散った。
だが宮世はそれを視界に入れることなく銃を井野に向ける。
「次はあなた」
「えぇっ!?梨香が一瞬で!河村君、戻って来――」
無情にも、井野が言い終えるより先に宮世の指が動いた。
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