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空中にもかかわらず宮世の早撃ちは鈍らない。
彼女の撃った弾は井野本人には当たらず、地面や木の枝に当たって跳ね返った。
俗に言う跳弾というやつだ。
軌道の先にはもちろん井野。
四方八方から飛んでくる銃弾の嵐に、井野は為す術なく悲鳴をあげた。
やっぱり宮世は怖い……。
俺もあの技に何度やられたことか……。
弾が魔力でできてるからリロードしなくて済むのが尚更厄介だ。
綺麗に着地し、魔法陣の光と共に消えた井野を見て宮世はようやくこちらに顔を向けた。
「大丈夫だった?危機一髪だったわね」
「そのセリフはもう彩華から聞いた」
幼なじみってのは考え方まで一緒になるもんなのか?
まぁそんな話は後にして。
「残るはお前だけだな」
俺達は未だに頑張っている河村に目を向けた。
河村はビクッと肩を震わせてこっちを見る。
そして、
「く……くそぉぉぉぉ!」
「あっ!逃げた!」
脱兎の如く一目散に逃げだした。
そのスピードが速いのなんの。
あっという間に見えなくなった。
「あ~あ。どうすんだよ?」
「まぁ何とかなるでしょ」
その根拠はどこから来るんだよ。
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