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「一体何をしていたんだ?」
「ちょっとした鬼ごっこをな」
彩華の問いかけに龍牙は意味深な言葉を返す。
しかし宮世には意味が伝わったようで、1人納得した表情へと変わった。
「それならいいわ。とりあえず移動しましょ」
「移動で思い出したけど、あっちに川が流れてたぜ」
そう言って嵐は川があるらしい方向を指差す。
何で嵐がそんなことを知ってるんだ?
「何でアンタがそんなこと知ってるのよ?」
その疑問は如月も一緒だったようで、疑うような視線を嵐に向けた。
「あぁ、それはコイツ……で上から撃ってた時に見えたんだ」
……今武器を持ち上げてから間がなかったか?
まるでいきなり話を変えたような……。
「まぁまぁ皐月。その疑うような目はやめようよ。光輝も」
そんな俺の思考を中断させるかのように、翔が嵐の前に立って俺達を宥め始めた。
宮世と彩華と坂上は笑ってるし、絶対何か隠してるんだよな。
「後で教えてやるよ」
龍牙が俺の耳元でボソッと呟く。
ハッと横を向くと、女子3人と同じようにニヤニヤ笑っている龍牙の顔が目に入った。
知らないのは俺と如月だけか……。
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