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「そうと決まればさっさと移動しましょ。高峰、案内しなさい」
誰のせいで止まってたと思ってんだよ……。
ホント、調子のいいヤツだな。
「真っ直ぐ行けばいいだけだから案内の必要はねぇんだけど……」
ブツブツ言いながら先頭を歩き出す嵐。
俺達もそれを追いかけるように歩き出した。
その途中……
「なぁ、結局さっきのはどういうことだったんだよ?」
俺が龍牙に尋ねると、あぁ!と思い出したように口を開く。
「アイツの武器があるだろ?アレの能力が物を透かして見える〈透視〉なんだってよ」
なるほど……それで川を見つけたわけか。
便利な能力だな。
…………〈透視〉……アイツらしい能力だ。
「アイツそれで覗きとかやってそうだな。それで、何で笑ってたんだ?」
そう尋ねると、龍牙は声を押し殺して再び笑いはじめた。
「クククッ……お前の言った通りだよ。やってたんだよアイツは」
「……マジ?」
龍牙は笑いながら頷く。
おいおい嵐……犯罪だぞ。
「で、それが女子にバレて散々なことになったから皐月には言えずに誤魔化したってわけだ。これが俺達が笑ってた理由」
まったく……羨ま――ゴホンッゴホンッ!最低だな。
まぁ確かにこれが如月にバレたらボコボコ……いや、この世に存在してるかどうかも怪しいからな。
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