12223人が本棚に入れています
本棚に追加
そして歩くこと数分。
微かにザァーッと水が流れる音が聞こえてきた。
どうやら近いみたいだ。
「ホントにあったよ……」
「チッ……上級魔法はお預けか……」
こらこら、女の子が舌打ちなんてするな。
「はい、到着っと」
そんな嵐の声と同時に水に反射した光で目が眩む。
ゆっくり目を開けると、キラキラと光を反射している透き通った川が目に入った。
「すげぇ……」
あまりにも綺麗で声が出ない。
自然の中にある川だからか、底がよく見えるほどに透明で、大小問わずいろんな魚が泳いでいる。
「こんな場所があったなんて……もっと早く来てればよかったわ」
「この水って飲めるんでしょうか?」
「飲んでみるか……」
龍牙は川岸まで近付くと両手で水をすくって口に運ぶ。
――ゴクンッ……
「……美味い!さすが天然水」
そう言ってもう一杯。
俺も飲んでみよう。
結局全員が水を飲むことになった。
連戦で疲れた体にはそれが何倍も美味しく感じる。
最初のコメントを投稿しよう!