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龍牙のおかげで満腹とはいかないまでも腹を満たした俺達は、そろそろ移動しようと立ち上がった。
あの魚は宮世がちゃんと内臓と骨を取り出し、川の水で洗って、龍牙が炎で焼く。
見事なコンビネーションで美味しく頂きました。
ただ調理に使った坂上の短剣が魚臭くなったことには心が痛んだ。
匂い消しの魔法ってないのかな……?
さて、飯の話はこのぐらいにして。
「次はどうするんだ?こっちから攻めるのか?」
俺がみんなに尋ねると、主に如月からバカにしたような視線を受けた。
「わざわざ戦う必要なんてないわよ。敵同士で潰し合うのを待つの。それくらいわかりなさいよ」
へいへい、わかりましたよ。
「とりあえず敵の見える場所に行きたいわね。嵐君、お願いできるかしら?」
「あ、あぁ。ちょっと待っててくれ」
嵐は珍しくバツの悪そうな顔をして木の上に跳び上がる。
なるほど……如月に見られたくないわけか。
「何でアイツに任せるのかわからないわ……」
いろいろあるんだよ。
そう思って視線を上に向けるのと嵐が降りてきたのは同時だった。
……早いな。
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