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一触即発の雰囲気。
ちょっとしたキッカケで戦闘が始まる状態だ。
ほんの少しのキッカケで……。
――パキッ!
耳に届いた木の枝が折れたような音。
誰が踏んだのかはわからないが、それが合図となる。
誰よりも早く動いたのはやはり架神と龍牙の2人だった。
瞬きをした一瞬で場面が変わり、俺が目にしたのは刀を振り下ろした架神とそれを槍の柄で受け止める龍牙の姿。
速い……!見えなかった。
「神城、前っ!」
その光景に気を取られていた俺は如月の声で慌てて前を見る。
目の前には柄の方にも刃のある両刃の剣を今にも振り下ろそうとする男子生徒が。
なんとか刀を間に入れ防ぐことはできたが、咄嗟だったため押され気味。
ヤバいな……コイツ結構力が強い……!
反応が遅れたことを悔やんでいる時だった。
《緊急事態です!戦闘中の生徒はすぐにやめなさい!》
上空から焦っているような真衣さんの声が聞こえてきた。
ただ事じゃない……そう感じた俺達は素直にピタリと動きを止める。(架神が素直に従ったのは意外だったが……)
正直、助かった……。
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