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「こんな時だからこそ落ち着くべきだ。時間もないし簡単に現状を考えよう」
架神の言葉に逆らおうとするヤツはいない。
こんな状況ということもあるだろうけど、何故かコイツの言うことは信じられるような気がした。
「まず学園長の言っていた侵入者。つまり結界が破られたと考えるのが妥当だろう。
敵は恐らく多数。それに比べてこちらは13人。
敵の数と強さにもよるが、大抵の敵は僕と二宮で潰せる。
問題なのは侵入者の目的だ。魔力球とやらの爆発といい転移が発動しないことといい、恐らく敵が結界を張ったんだろう。
外部との干渉を切ったということは……僕達をどうにかするつもりなのか……それとも誰かを狙っているのか……。
わかることはこれぐらいだな」
……凄い。
たったあれだけの事でそこまでわかるなんて……。
さすがというべきか。
それより敵の目的……もし狙いが俺だったら?
みんなと一緒にいるとみんなが危険に晒されることになるんじゃないか?
でも1人になった俺に何ができる?
魔法と武器を得たといっても所詮は素人。
結界を破るほどの相手に適うとは思えない。
「俺は……どうするべきなんだ……」
俺の呟きは誰にも聞かれることはなかったようだ。
だが俺は自分を見つめる視線に気付くことはなかった。
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