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「話は終わりだ。敵に見つからないように移動するよ」
俺が顔を上げると、すでに架神は辺りを見回しながら歩き出している。
「どうしたの?僕達も行こうよ」
動き出さない俺を心配してくれたのか、翔が俺の肩を叩く。
「あ、あぁ。行くか」
翔は怪訝そうな顔をしながらも深く尋ねてくることはなかった。
ありがとな、翔。
少し落ち着いたところで周りを見てみる。
さすがに13人で行動するのは多すぎだ。
敵に見つかってもおかしくない。
むしろ見つからない方がおかしい。
「なぁ龍牙。さすがにこの人数は多すぎじゃないか?」
俺は少し前にいた龍牙に話しかける。
すると龍牙は苦笑して、
「まぁな。でも敵の強さがわからない以上、迂闊に戦力は分けられないからな」
と言い、今度はため息をついた。
ちゃんと考えてるんだな。と思った矢先、俺は突然止まった龍牙の背中にぶつかる。
前を見ると、架神もまた同じように立ち止まっていた。
「龍牙?どうし――」
『全員跳べっ!』
龍牙と架神の声が重なった。
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