イレギュラー

10/36
前へ
/309ページ
次へ
「やったぞ……ついに成功だ!」 例の男が歓喜の声をあげる。 「君はオリジナルコードとなったんだよ……零」 そう。この子は零。 なのに……。 「いや、君は今日から零じゃない。 コード00:神城 光輝だ」 わからない。 零が光輝なら光輝は零なのか? もしそうなら……俺が零なのか? 以前の夢はここで終わった。 だが今回は違い、男は零の側に寄って口を開く。 「今日、この時をもって燐堂 零(りんどう れい)は死んだ。 この子に関する情報は全て抹消しろ。それから――――、――――――――」 そこから男の声が聞こえなくなった。 男は振り返り、近くにいた2人の男女に何かを話している。 何だよ?何て言ってるんだよ? 「教えろ!俺は誰なんだ!」 もちろん返事は返ってこない。 むしろ男達が離れていく。 いや、違う。俺が離れてるんだ。 直感で夢の終わりが近付いてるとわかった。 白い部屋はギリギリ見えるぐらい小さい。 そして、辺りは再び闇に包まれた。 ――目覚めの時だ……。  
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12223人が本棚に入れています
本棚に追加