イレギュラー

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         * 「うっ……」 俺はゆっくりと目を開ける。 最初に目に入ったのは黒っぽい緑色の何か。 首を傾げながら少し動くとガサガサと音がする。 よく見たらこれ……葉っぱじゃん。 辺りを見回すと、どうやら俺は折れた枝の下にいるみたいだ。 この葉っぱが俺の姿を隠してくれていたらしい。 だから気を失ってても見つからなかったのか……。 ズキズキとする背中と頭の痛みに耐えながら、俺は枝の下から這い出た。 辺りに人のいる気配はない。 くそっ!今は夢のことよりみんなを探す方が先だ。 木に手をついて立ち上がり歩き出そうとした時、風に乗って誰かの話し声が聞こえてきた。 途切れ途切れでよくわからないけど、この声は……架神? 俺は痛む身体に鞭を打ち、声の聞こえた方向に走り出した。 近付くにつれて声もよく聞こえてくる。 さほど離れた場所じゃなかったため、案外早く着くことができた。 「架神!」 着いて早々視界に映ったのは、黒コートにフードを深く被った人物と刀を敵に向けて構える架神の姿。  
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