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「いいか?目的はターゲットの捕獲だ。絶対に傷を付けるな。
それ以外の目撃者は……殺せ!」
1人の男がそう叫ぶと、それを合図に他の敵も動き出す。
「光輝!」
「わかった!」
俺は近くにいた龍牙とペアを組んだ。
そして俺達は敵の1人に飛びかかる。
だが敵は悠々と攻撃を躱し、何をするでもなく俺達の間を走り抜けた。
疑問が頭をよぎると同時に、嫌な予感が沸き上がってくる。
咄嗟に振り向くと、引っ張られるように片方の刀が俺の手を離れた。
『なっ……!』
重なる声。
龍牙の方に目を向けると、龍牙の槍も手から離れている。
すぐに武器を探せば、意外にも早く見つかった。
俺達の武器は宙に浮いていて、一向に落ちてくる気配はない。
その周りは何故かキラキラと輝いている。
「あれは……糸?」
よく目を凝らして見ると、糸のようなものが武器に巻き付いていた。
その糸の伸びる先は近くの木の枝。
いつの間に……。
いや、すれ違った時しか考えられない。
それでも動きが見えなかった……。
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