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跳び上がった龍牙はそのまま俺達を囲んでいた糸を跳び越えて着地する。
「いくぜ、変態野郎!」
そう言って龍牙は槍を構えて走り出した。
一応命懸けた戦いなんだけど……緊張感ねぇな。
なんて思いつつ遅れて着地した俺も龍牙の後を追う。
だけど男がそんなことを許すはずもなく、さっきと同じように腕を振るってきた。
「左に跳んでしゃがめ!」
龍牙は俺にそう伝えると右に跳んでしゃがみ込む。
もちろん俺は龍牙に言われた通り左に跳んでしゃがんだ。
頭上を何かが通り過ぎる音。
「チッ!」
男は舌打ちしながら腕を引く。
「今だ!一気に攻めるぞ!」
一気に……か。なら……。
「【光弾】」
俺はとりあえず何百もの光の弾を放つ。
「くっ……【地硬壁】」
予想通り男は防御魔法を発動した。
よし、かかった!
「龍牙!」
「俺を忘れんなよ」
その声と共に上空から降りてきた龍牙。
音もなく地面から突き出た壁の上に着地すると、壁の向こう側にいる男に向けて槍を振るう。
俺の所からじゃどうなったのかわからない。
殺ったのか?龍牙……。
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