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瞬間、地面に押し付けられるような重圧。
呼吸がしづらい。身体が動かない。
ヤツが架神と戦っていた時にはまったく感じなかった感覚。
あぁ、そうか……。
改めて認識した。
アイツは、ホントに遊んでいただけなんだ……と。
「どうした?震えてるぞ?」
俺に向けての言葉じゃない。如月に向けての言葉。
当たり前だ。直接殺気を当てられていない俺がこの様なんだから。
「くっ……」
だけど如月は震える身体に鞭を打ち扇子を構えた。
そうか!それなら。
「氷結の舞」
男の歩み出そうとしていた足が止まる。
よし!凍っ――
「こんなお遊戯で俺を止められるとでも思ったのか?」
やけによく聞こえる男の低い声。
バカか俺は。氷は炎で溶けるだろうが。
男は再び歩き始める。
何やってんだよ俺。立て。とっくに痛みは和らいでるだろ。如月が危ないんだぞ。
いくらそう思ったところで身体はピクリとも動かない。
すると男が口を開く。
「時間がないんでね……」
同時に、男の姿が消えた。
次に男が姿を現したのは如月の背後。手刀の構え。
「そろそろ終わらせてもらおう」
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