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いや、今更だな。ホントはわかってるんだ。
俺は失いたくない。この日常を。
だから俺は立ち上がる。だから俺は戦う。
大切だから。守りたいから命を懸けるんだ。
自分でもさっきと言ってることが矛盾してるのはわかってる。
でも仕方ないだろ。身体が勝手に動くんだから。
「わりぃな、みんな。遅くなった」
「これで揃ったわね。6対1なら勝機はあるわ」
俺達は各々武器を構える。
敵は強い。普通に戦えばあっさり負けるだろう。
負けるならマシだ。死ぬ可能性だってある。
だから考えるんだ。俺なりの戦い方を……。
「いくぜっ!」
先陣をきったのは宮世と嵐の遠距離2人。
高速連射の宮世と一発の威力が高い嵐。銃弾の“カベ”が男に迫る。
男は躱せないと察するや否や、目の前に炎の壁を出現させて銃弾を防いだ。
その隙に俺達剣士組が回り込む。
回復役の坂上は中距離で待機。
だが、
「なっ!?いない?」
壁の向こう側に男の姿はなかった。
考えろ。宮世達の放った銃弾の“カベ”で横には移動できない。となると動けるのは後ろか、下か……。
「上かっ!」
上空を仰ぐと、いた!
徐々に翔へと落下するヤツが。
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