イレギュラー

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期待通り、銃声が響き渡る。 そして聞こえたのは金属音。目に映ったのは赤い液体。 男は確かに剣で防いだ。1発だけ……。 「2発……だと……?」 撃たれた右肩から流れる血が、腕を伝ってポタポタと地面に滴る。 嵐達の方に顔を向けた男は、納得したような声を漏らした。 「なるほど……。咄嗟だったから気付かなかった」 男の視線の先にはライフルを構えたままの嵐と、片方の銃を向けている宮世が。 たぶん、同時に撃ったんだろう。だから銃声も1発しか聞こえなかった。 宮世の跳弾なら男の不意を突けそうだし。 コイツら、いいコンビじゃん。 ……ん?よく考えたら今が……―― 「もらったぁぁっ!」 俺の声に男はハッとするがもう遅い。 刀の切っ先は、確かに男の左肩に突き刺さった。 一瞬遅れて、側頭部への痛み。 脳が揺れ、視界が傾き、刀から手が離れ、地面に叩き付けられる。 ――蹴られた。 さすがにこれはキツいな……。視界がグルグル回ってるし。 でも、 「油断……しすぎたな。ざまぁみろ」 一撃、入れてやったぜ。  
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