イレギュラー

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――間に合うか……? 「【聖光防壁】」 俺の身体を光のドームが包む。 わずかに遅れて防御魔法越しに俺を襲う衝撃。 「ぐっ……」 詠唱破棄したとはいえ、上級魔法の威力は半端じゃない。 中級魔法で持ち堪えられるかどうか……。 そう思った矢先、ピシッとドームに亀裂の入る音。 俺は考えるより先に壁に手を当てて魔力を流した。 頼む。保ってくれ。 そんな俺の願いも虚しく、亀裂は止まることを知らない。 そして壁は、ガラスが割れたような音をたてて崩れた。 壁がなくなったことにより、目の前に迫る炎。 そしてそれは、 「ぐああああっ!」 俺の身体を容赦なく呑み込んだ。 熱い、と感じたのは一瞬。 痛い、と感じたのも一瞬。 防御魔法を張っていたからか、それとも俺の感覚がおかしくなったのか。不思議と痛みはあまりなかった。 やがて炎は消え、俺は崩れ落ちるように膝をつく。 着ていた制服は焦げ、身体のありとあらゆる所に火傷を負い、一言で言えば満身創痍。 「【聖光……天恵】」 回復魔法をかけるも、今の俺では火傷を治すので精一杯だった。  
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