イレギュラー

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身体中に走る痛みに耐えながら立ち上がる。 どうやらさっきの魔法で麻痺していた痛覚まで回復したらしい。 聞いた話によると、痛みを感じないのは危険だとか。だから我慢するとしよう。 問題は残りの魔力だ。 さっきの上級魔法を防ぐ……まぁ防げなかったんだけども、それに結構な魔力を使っちまったからな。よくて中級魔法1発が限界か。 チラッと周りを見ると、今更だが森が燃えている。 川のむこう側は大丈夫だろうけど、こっち側はすぐに燃え広がるだろうな。 みんなは……あの攻撃を防ぎきったみたいだ。 ただ俺と同じでかなりの魔力を消費したのか、その表情は苦しそうに見える。 結局、 「防げなかったのは俺だけか……」 俺は足手まとい……か。 光属性だったからよかったものを、そうじゃなかったら死んでいてもおかしくなかった。 いや、俺なんていない方が……。 「神城っ!」 耳に届いた如月の声。 その声にハッとして男を見ると、眼前に迫ってくる剣先。 反射的に顔を傾けて突きを躱し、後ろに跳んで距離をとった。  
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