12223人が本棚に入れています
本棚に追加
身体中に走る痛みに耐えながら立ち上がる。
どうやらさっきの魔法で麻痺していた痛覚まで回復したらしい。
聞いた話によると、痛みを感じないのは危険だとか。だから我慢するとしよう。
問題は残りの魔力だ。
さっきの上級魔法を防ぐ……まぁ防げなかったんだけども、それに結構な魔力を使っちまったからな。よくて中級魔法1発が限界か。
チラッと周りを見ると、今更だが森が燃えている。
川のむこう側は大丈夫だろうけど、こっち側はすぐに燃え広がるだろうな。
みんなは……あの攻撃を防ぎきったみたいだ。
ただ俺と同じでかなりの魔力を消費したのか、その表情は苦しそうに見える。
結局、
「防げなかったのは俺だけか……」
俺は足手まとい……か。
光属性だったからよかったものを、そうじゃなかったら死んでいてもおかしくなかった。
いや、俺なんていない方が……。
「神城っ!」
耳に届いた如月の声。
その声にハッとして男を見ると、眼前に迫ってくる剣先。
反射的に顔を傾けて突きを躱し、後ろに跳んで距離をとった。
最初のコメントを投稿しよう!