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「……なんか、気絶するたびにここに来てるような……。他の場所はないのかよ」
ってな感じにツッコんでみる。
だって気がつくとまたこの場所なんだから仕方ないと思う。
言わずともわかるだろうがあの真っ暗な暗闇だ。
そろそろ辺りが真っ白になって燐堂 零が出てくるはずなんだけど……。
「長いな……。あの夢じゃないのか?」
――その通り。よくわかったね。
「っ!」
慌てて辺りを見回しても何も見えない。
何だ今の?直接頭に響いたような……。
――だってそうだもん。当然だよ。
まただ。幼い男の子の声……ってまさか!
「さすがだね。気付くのが早い。って言ってもこの空間のことを考えるとそれしか思い付かないけどね。
そうだよ。ボクは零。燐堂 零だ」
今度はしっかり耳に聞こえてきた。
同時に俺の目の前に光の粒子が集まり、一瞬で辺りの景色が真っ白になる。
そして俺の前に立っていたのは、あの夢に出てきた男の子だった。
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