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「俺の力は……構築の分解だ……」
あの時、まるで他人の記憶を送り込まれるかのように知識が流れ込んできた。
映像なんかじゃなく、知識だけが……。
その中にあったのが俺の力……構築の分解。
「でもわからないんだ。どうやって使うのか、どんな力なのか」
あの扉を少ししか開けなかったからか、それとも途中で中断したからなのか、わかったことはほんの少しだけ。
自分の力と……コードについて。
「……しょうがないか。ホントは思い出してほしかったんだけど、時間もないし特別だよ」
零は、これならわかりやすいかなぁ……と呟いて手を翳す。
すると、零の目の前には俺の身長と同じぐらいの大きさの魔法陣が現れた。
「お兄ちゃんはこの魔法陣が何かわかるよね?」
「あぁ。これは……【聖光防壁】の魔法陣だ」
見間違えるはずがない。何度も俺を守ってくれた魔法の魔法陣。
「魔法陣っていうのはね、その魔法の情報をまとめたものなんだ。形、範囲、威力、効果、継続時間、とかね。
そしてその魔法陣の中にはその魔法の核となるものが存在する。支持軸と言ってもいいよ。これがないと魔法は成り立たないから。
でももし、その核が無くなったらどうなると思う?」
そんなの、決まってる……。
「魔法陣の構築が崩れて、魔法が……っ!」
まさかっ!
「そうだよ。魔法は消える」
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