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「つまり俺の力は……構築を崩して魔法を消すことができる。だから分解か……」
どんな力なのかはわかった。後は発動方法だ。
「どうやったら発動できるんだ?教えてくれ!」
「簡単だよ。発動中の魔法に触れればいいだけ。そしてさっき話した核をいじれば……」
「……魔法は消えるってわけか。でもどうやって核を見つけるんだ?」
当然の疑問だ。それがわからなければ魔法を消せないんだから……。
すると零は反対側から魔法陣に触れる。
「お兄ちゃんならわかるはず……。記憶がなくても身体が覚えてるよ」
身体が……覚えてる……。
俺は目の前に展開している魔法陣を眺めた。
丸い円の中に星形に線があり、その周りに並べられている見たことのない文字の羅列。
どこだ……どれが核だ?
せわしなく視線を動かす中、不意にある一点で俺の視線が止まった。
それは、中心からやや左上にある部分。
文字が読めないにもかかわらず、俺の手は自然とそこに触れていた。
「見つけた……。ここが核だ……」
瞬間、目が眩むほどに魔法陣が輝き出す。
あまりの眩しさに目を閉じそうになったが、なんとか腕を翳して片目だけ開ける。
見るんだ。目を逸らすわけにはいかない。
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