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気付くと、視界は真っ暗。
理由は簡単。目を瞑っているからだ。
同時に、殴られた腹部がズキズキと痛む。
あぁ、戻ってきたのか……。
ゆっくりと身体を起こそうとした瞬間、背中に加わった重みと衝撃で俺は再び地面に突っ伏した。
「ぐふっ!」
「あっ、わりぃ。ってか起きたんだな、光輝」
この声は……。
「とりあえず重い。早く退いてくれ、龍牙」
龍牙が退いたのを確認し、起き上がって改めて辺りを見回す。
そこで俺が目にしたのは最悪の光景だった。
「みんなっ!」
俺が見たのは身体中に切り傷があって血を流しながら倒れている彩華と坂上、所々に火傷を負って倒れている宮世と嵐……そして架神のチームメンバー。
翔はまだ気絶している。
慌てた俺がみんなに駆け寄ろうとした時、背後から肩をガッチリ掴まれて俺の動きが止まった。
「龍牙!どうして止めるんだよ!?」
「落ち着け。出血や火傷を負ってるけど失神してるだけだ。まだ大丈夫。
回復させるにはアイツを倒さないと……」
俺は龍牙の視線の先……架神と戦っている男を見る。
そして視線をずらし、少し離れた場所に立っている如月と、如月を守るように立つ架神を心配していた2人に目をやった。
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